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AWS Marketplace導入の四方山話

佐藤齊行
2025.4.22

こんにちは、yamoryプロダクト開発グループでエンジニアをしている佐藤です。

今回は、私たちが開発・提供している脆弱性管理クラウド「yamory」が、AWS Marketplaceの導入に至った経緯と、その裏側の機能開発についてご紹介したいと思います。

AWS Marketplaceについて

まず、AWS Marketplaceとは何かについて簡単にご説明します。AWS Marketplaceは、AWSを利用しているユーザーなら誰でも利用できる、サードパーティのソフトウェアやサービスを容易に検索、購入、デプロイできるオンラインストアです。

yamoryにとって、AWS Marketplaceの導入は、商流の拡大という大きなメリットをもたらします。AWSを利用している多くの企業様に対して、yamoryをより直接的に提供できるようになります。また、AWSの請求システムを通じて契約や決済が効率化されることで、ユーザー側の運用負荷の軽減にも繋がります。

導入までの道のり

AWS Marketplaceへの取り組み状況

「yamory」のAWS Marketplaceでの提供開始は、2024年3月12日でした。前提となるAWSファンデーショナルテクニカルレビュー(FTR)を取得した2022年6月から、約1年9カ月の期間を要しました。

導入までにおおまかに2つの作業がありました。

  • AWS Marketplace販売者としての登録
  • 製品情報の登録、連携機能の実装、連携テスト

後者の 製品情報の登録からAWSによる連携テストに大体3カ月程度かかっています。(前者については本記事では割愛します。詳しくは AWSのドキュメントを参照ください)

製品情報の登録について

製品ページに公開される様々な情報を準備したうえで、製品情報として登録していきました。今回の対応においては、製品カテゴリーとしてはSaaS Product、価格設定としてはContract-based pricingを選択しました。また、後続の連携テスト時に、自社の検証環境で行いやすくするため、本番用の製品とは別に検証用の製品の2つを登録することにしました。

連携機能の実装について

Marketplaceの機能をフル活用するために色々と開発する必要があるのですが、今回は料金設定としてContract-based pricingを選択()していたため、従量課金まわりの機能群が不要となった結果、Marketplaceからの購入時のリダイレクト処理、既存のサインアップ処理への組み込み、契約内容変更時の通知の受け取り処理を用意するのみとなりました。

例えば、従量課金を伴う料金設定を選択した場合は、上記に加えて、サービスの利用状況を計測、連携するための処理も必要になる

こちらについては、AWSのドキュメントやハンズオンの資料が公開されているほか、適宜AWS SAによるサポートを受けながら進めることができたため、大きな苦労はありませんでした。しいていうならば、事前にドキュメントを精読しておくとよりスムーズに開発を行えたかもしれません。

連携テスト、AWSによる審査について

一通りの実装を終えたのち、AWSのドキュメントに記載されたシナリオをなぞる形で、製品の購入、自サービスへのサインアップ、契約情報の更新のシナリオを検証しました。

その後、Marketplace運用チームによる審査を経て、導入に必要なすべての作業が完了した結果、晴れてMarketplaceに公開されました。審査では、一連の購入プロセスの確認だけでなく、製品情報の記載内容なども含めてレビューを受けることになるため、審査依頼を出す前の最終確認が重要でした。

さいごに

Marketplace公開後、3カ月で初の受注となりました。直近の事例でも「AWS Marketplaceを通じてyamoryを導入したことで、ライセンス契約の事務手続きが簡素化され、設定もスムーズに進めることができました」という声をいただくなど、導入の効果を日に日に実感しています。

AWS Marketplaceへの導入は、yamoryにとって新たな挑戦であり、多くの学びと成長の機会を与えてくれました。

もし、yamoryの機能開発や、私たちがどのように課題を解決してきたのかにご興味をお持ちいただけたなら幸いです。 私たちのチームでは、常に新しい技術や挑戦に意欲的なエンジニアを募集しています。ぜひ一度カジュアルにお話ししませんか?